【コラム第3回】呼吸に関わるセンサは何を調べているの?
第2回で睡眠に関するセンサが何を調べているかお答えしました。
今回は呼吸編です。
呼吸に関わるセンサは鼻口温度センサ、鼻圧呼吸センサ、いびきセンサ、胸腹ベルトセンサ、SpO2センサになります。
① 鼻口温度センサ、鼻圧呼吸センサ
呼吸状態を把握するセンサはこの二種類で行っています。
装着位置は鼻の下、センサの形状上、鼻の穴に入る状態になるため、被検者には負担がかかるセンサになりますが、時間とともに慣れるケースが多いです。
なぜ二種類かというとそれぞれ長所、短所があるからです。
鼻口温度センサは文字通り、呼吸で生じる温度の差を呼吸波形として記録します。
温度変化のセンサ感度は鈍いとされ、極端なことを言うと呼吸をしているか、していないかをみます。これが短所です。
長所は口呼吸にも対応できるところです。センサの形状上、口側にもセンサが出ているため鼻呼吸より口呼吸を優位にされる被検者にも対応できます。
続いて鼻圧呼吸センサですが、こちらは呼吸の気流自体を波形として記録します。
したがって温度変化より感度が高く、鋭敏に反応します。「ならばこちらだけでいいじゃない。」と考えると思いますがここに短所が関係します。
鼻圧呼吸センサは口側にセンサ部がない形状のものが多数派です。したがって口呼吸のみが起こると反応できない状態となります。
二種類装着する理由はここにあります。それぞれの長所を利用し、短所を補うためです。
そして、呼吸状態が最も重要になる症状は「睡眠時無呼吸障害」です。
その呼吸状態を判定する際、低呼吸と無呼吸に大きく分けます。
低呼吸は呼吸が浅くなりイビキを伴うケースや浅い呼吸のため覚醒するケースもあります。この低呼吸は感度の高い鼻圧呼吸センサが活躍します。
無呼吸のように完全に呼吸停止が起こるケースには鼻口温度センサが活躍します。さらに口を開けてあえぐような呼吸を起こすケースにも対応可能です。
② イビキセンサ
イビキセンサは文字通りイビキの有無をみます。とはいえ、音そのものを記録するわけではなく、イビキで起こる振動を記録しています。機種によっては音自体を記録するものもありますが、当院では振動を記録しています。
喉仏の脇に装着します。このあたりの皮膚は弱いため検査終了後、取り外す際に希望があれば剥離剤を使用し、優しく剥がせるようにしています。
③ 胸腹ベルトセンサ
胸腹ベルトセンサは胸とお腹にベルトタイプの電極を巻きます。
睡眠時無呼吸障害にはいくつかの型(タイプ)があります。
その判定はこのベルトタイプのセンサを使用し、胸とお腹の動きから行います。
感度の良いセンサのため、決してきつく締めませんが、あまり緩いと反応しなくなるため丁度良い、きつさに調整します。
④ SpO2センサ
SpO2センサは体の酸素飽和度(割合)を計測します。
特に睡眠時無呼吸障害では酸素飽和度が下がる現象は多くにみられます。
下がる回数もさることながら、最低値など値そのものも重要となります。
装着は手の人差し指です。利き手がふさがると不自由になるため利き手ではない腕の人差し指を使用しています。
また、始めは感じないが時間が経つにつれ、巻いている指にうっ血感や、過度な締め付けを感じることが稀にあるためその場合は指を変えていきます。
さらに注意としてマニキュアやジェルネイルなどされていると計測できない要因となるので、されている被検者には事前に外していただいています。
以上が呼吸に関わるセンサとなります。
次回は番外編ですが、行動に関するセンサのご紹介となります。
スリープ・サポートクリニック / 検査技師長
大川登史